【対談】音楽とジュエリー、心に響くもの
Vol.2 表現に込めた想い、重なり合う未来
ヴァイオリニスト 柳原史佳さん × チーフデザイナー宮澤
大阪店での演奏会をきっかけに交流を深めた、ヴァイオリニストの柳原史佳さんと、AbHerï チーフデザイナーの宮澤の対談。
後編となる今回は、お二人が現在の道を志したきっかけや、表現者として大切にしている想いについて伺いました。対談 Vol.1 はこちら>
Index
■ 今の道へつながる出会い
■ 作品や演奏を通して、届ける相手に幸せを
■ 人の心に寄り添う、新たな表現
■ これからの夢
■ 音楽から生まれるジュエリー
Profile
柳原 史佳 Ayaka Yanagihara
ヴァイオリニスト・モデル・植物療法士
関西を拠点に全国各地で演奏活動を行う。コンサートやブランドイベントなど幅広いステージで演奏するほか、モデルとしても活動。音楽を通して、人の心に寄り添う表現を大切にしている。
宮澤 有紀子 Yukiko Miyazawa
AbHerï チーフデザイナー・ジュエリー職人
デザインから原型制作まで一貫して携わり、AbHerï を代表する数々のコレクションを手がける。造形の細部まで丁寧に向き合うとともに、クリエイティブ全般の監修も担い、ブランドの世界観を形づくっている。
今の道へつながる出会い
── お二人が今の道を志したきっかけについて教えてください。
柳原さん:私は特定の誰かというよりも、その時々の出会いから影響を受けてきました。
なかでも、9歳の時に学校の体育館で聴いたヴァイオリンの演奏との出会いは特別です。「私もやりたい!」と思って、その日のうちに両親へお願いしました。あの日の演奏を聴いていなければ、今こうしてヴァイオリンを弾いていなかったと思います。
チーフデザイナー宮澤(以下、宮澤):小さい頃から、絵を描いたり、編み物や刺繍をしたり、何かを手でつくることは好きでした。でも、ジュエリーデザイナーになることは、当時は考えていなかったですね。 元々はフード系に興味があり、学生時代はお茶やテーブルコーディネートの教室にも通っていました。
柳原さん:そこからどうしてジュエリーの道へ?
宮澤:食文化が豊かなフランスへ留学したのですが、現地のアートスクールで出会った友人がジュエリーが好きで。彼女の影響でさまざまなお店や展示を巡るうちにジュエリーの魅力に惹かれ、「つくる側になりたい」と思うようになりました。帰国後に今の会社と出会って、学ばせていただきながら、20年以上ジュエリーをつくり続けています。
お互い、人生の道しるべになるような出会いが、今へと繋がっているのですね。

作品や演奏を通して、届ける相手に幸せを
── 作品や演奏を通して、どのような想いを届けたいと考えていらっしゃいますか。
宮澤: そうですね、ジュエリーで身につける方の心を少しでも豊かにできたら嬉しいですね。その方にとってのお守りのような存在になったり、見ているだけで気持ちが安らいだり。そんなふうに誰かを幸せにする、日々に寄り添うジュエリーを作りたいというのが一番にあります。
柳原さん: 私は演奏を聴きに来てくださった方に、幸せな気持ちで帰っていただきたいと思っています。心が満たされたり、日頃の疲れを忘れられたり、少し前向きになれたり。そういう自分を大切にするリラクゼーションのような時間を届けられたら嬉しいなと思って演奏しています。
── 「楽しい」「嬉しい」と思う瞬間はどのような時ですか?
宮澤:嬉しい瞬間は本当にたくさんあります。もちろん、制作すること自体が喜びです。 でも何より、ご愛用くださっている方々が「愛おしい」と大切に思っていてくださったり、何年も前にご購入いただいたジュエリーを「ずっと身につけているんです」と見せてくださったり。手がけたジュエリーが、誰かの特別な存在になっていると感じられたときは、本当に幸せです。
柳原さん: 私も少し似ています。演奏が終わったあとに、皆さんがすごく笑顔で帰ってくださる姿を見た時とか。あとは、後日「あの時の演奏を聴いて、心が救われました」とご連絡をいただくことがあって。そうやって直接、感想や体験を伝えていただける瞬間は何より嬉しいですね。

人の心に寄り添う、新たな表現
── お二人のお話を伺っていると、誰かの心を癒やしたいという想いが共通しているように感じます。柳原さんは最近、「植物療法士」としても活動されていますね。
柳原さん:私、基本的には飽き性なんです(笑)。これまで趣味と呼べるものは全くなかったのですが、体調を崩したことをきっかけに植物療法(フィトセラピー)について学び始めたら、それが本当に面白くて。
植物の力や、人が本来持っている力について学ぶうちに、どんどん興味が深くなりました。普段飲んでいるものを一杯だけハーブティーに変えるような簡単なケアでも、自分自身の変化を感じられて。
今は音楽と植物療法を掛け合わせたワークショップも行っています。人が心地よく過ごせるようなお手伝いができたら嬉しいですね。
宮澤:素敵な活動ですよね。私も香りやお茶が昔から好きなので、とても共感します。植物は心も体も癒してくれる存在ですよね。
実は最近、柳原さんが植物療法士としても活躍されているお話を伺ったことがきっかけで、私も以前よりハーブティーを飲むようになりました。ガラスのポットの中で花や葉がゆっくり対流する様子を眺めているだけでも癒やされますし、なんだかよく眠れる気がするんです(笑)。
柳原さん:嬉しいです。ハーブティーって意外と気軽に取り入れられるんですよね。香りを楽しみながら、その日の気分や体調に合わせて選ぶ時間も好きなんです。
これからの夢
── これからの夢・挑戦してみたいことはありますか。
宮澤:夢というほど大げさではないのですが、いつか、何の制約もないジュエリーづくりを楽しんでみたいと思っています。
普段はブランドとして、お客様に心地よく末永くご愛用いただけるジュエリーをお届けすることを大切に考えているので、素材や構造などさまざまな条件があります。でもいつか、貴金属に限らず植物や異素材なども使いながら、純粋に「つくること」そのものを楽しむような作品づくりができたら面白いですね。
柳原さん:みんなをハッピーにしたいという想いがあるんです。
音楽と植物療法(フィトセラピー)を掛け合わせた活動を、これからもっと広げていきたいと思っています。
忙しい毎日のなかで、自分のことを後回しにしてしまう方も多いと思うんです。音楽を聴いたり、植物の香りに触れたりしながら、日頃の疲れを癒やして、ほっとひと息つけるような時間を届けられたら嬉しいですね。そして、自分の気持ちや身体の声に少し耳を傾けるきっかけになれたらと思っています。
宮澤: 素敵ですね。アベリも「ジュエリーでひとを幸せにする」をテーマにしているので、自分を大切にする時間を届けたいという柳原さんの想いには、本当に深く共感します。
音楽から生まれるジュエリー
── 最後に、柳原さんへ質問です。もし、「この曲をテーマにジュエリーコレクションを作る」としたら、宮澤さんにどんな曲をリクエストしたいですか。
柳原さん・宮澤:えええぇ〜〜!
柳原さん:なんやろなぁ。一番好きな作曲家であるバッハの曲でしょうか。 「G線上のアリア」もいいですし、ヴァイオリニストにとって特別な存在である『無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ』もあります。 もし宮澤さんがそれをテーマにジュエリーを作ったら、どんな世界観が生まれるのだろうと想像するだけでワクワクします。
宮澤:難しいけど、楽しそうですね。私もバッハが好きなのでいつか形にしてみたいです。
柳原さん:わぁ、本当ですか!それは楽しみです。

AbHerï 大阪店 一周年記念パーティより
音楽とジュエリー。
表現するものは異なっても、お二人の言葉からは「人の心に寄り添いたい」という想いが重なり合う瞬間が感じられました。
9歳の時に出会った演奏が柳原さんをヴァイオリンの道へ導き、フランスでの出会いが宮澤をジュエリーの世界へ導いたように、お二人の出会いからもまた、新しい表現が生まれるかもしれません。 音楽と植物療法、そしてジュエリー。それぞれの表現が重なり合う未来に、どんな景色が生まれるのでしょうか。
いつか音楽から生まれるジュエリーが誕生する日を、楽しみにしています。

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