石留めとは、宝石を石座（金属の台座）に留める技法のこと。

通常目に留まりにくい部分ですが、どのような石座にどのように宝石を留めるかということは、実は機能だけでなくデザインの上でも重要です。

宝石のセッティング方法や石座のデザインによって、ジュエリーの印象は全く異なったものになります。

たとえば一文字のリングは、シンプルであるがゆえに石留めによる違いがわかりやすいジュエリー。

同じダイヤモンドリングでも、華やかで愛らしい表情、洗練されたシックな佇まい、精緻で明るい輝き、など石留めによって様々な印象が生まれます。

宝石自体も、形や色、輝き、表情などそれぞれの石で魅力が異なります。

石留めはそうした魅力を存分に生かす役割も果たします。

石全体がなるべく見えるように留めて主役にする、覆うように留めて美しさを際立たせるなど、絶妙な調整が行われています。

石留めは、石の魅力を引き立たせ、ジュエリー全体の見え方を左右する大切なデザインの要素。

だからこそ、アベリのジュエリーは一点一点、石のセッティング方法や石座のデザインを丁寧に決めて石留めしています。

アベリで使用している一番小さな宝石が0.8mm。職人がその極小の宝石を一石一石留めています。

わずかな誤差も全体のバランスに大きく響くため、高い精度が要求される作業。優れた技術をもって、ミクロのレベルで美しさを追求しています。

また、石留めの技術はもちろん、卓越した研磨技術も美しさの秘訣。0.8mmの小さな宝石にも、狂いなく57面のカットが施されています。

また、FカラーVSクラス（Diamondページへ）　＞　相当以上のルースを使用しているため、アベリのダイヤモンドは小さなものでも輝きが美しいと高く評価されています。

こちらのジュエリーで採用している石留め方法は、爪を使って石をセットするベーシックな「爪留め」。

光を多方向から取り込めるので、石の輝きが引き立ちます。

爪の本数や細さ、爪をかける位置にもこだわり、石自体のフォルムを引き立てています。

また爪の先端をとがらせ、爪が自然にフェイドアウトしていくように工夫しています。

存在感ある太い爪で押さえるより、細い爪を多めに使うことで、強度は保ちながら石のフォルムを邪魔しない、さりげない爪留めです。

こちらは「彫留め」と呼ばれる技法で石を留めています。

地金に開けた穴に石をセットし、石の周りの地金を彫り起こし、爪を作って留めます。

そうすることで爪となった地金がキラキラと輝き、石の輝きを引き立てて華やかな印象に。

アベリではこのようにミルグレーションと組み合わせて仕上げることが多く、より奥行きのある美しい輝きが生まれます。

「亀甲留め」と呼ばれる技法。

六角形に石の周りを掘り、掘り起こした地金で爪を作って留めています。

石の周りの地金の輝きと石の輝きが交わって、六角形の輝きが際立ちます。

“six”シリーズはこの留め方を生かしたフォルムと明るい輝きが特徴となっています。

石留めはアベリのジュエリーにおいて、全体のデザインに大きく関わる大切な要素。

見過ごしてしまいそうなさりげない部分ですが、細部にまで行き届いた美意識に裏打ちされたジュエリーは、歳月を経ても変わらぬ輝きで身に着ける人に寄り添います。

アベリならではの美意識が込められた石留めが、ジュエリー1点1点の美しさをしっかりと支えているのです。