文字に宿る感性と技

アベリのジュエリーには、文字を彫り入れるデザインのものがあります。
流れるようなラインで描かれるこのカリグラフィー文字は、カリグラフィーを手がける作家の手によるもの。
文字を打ち入れる刻印とは異なり、鏨(たがね)を用いて線を彫り入れていく彫りの作業。
特にカリグラフィー文字を彫る時には“片切り”という鏨を使い、強弱のついたなめらかな美しい線を刻みます。

カリグラフィーを彫るにはまず、彫りの技術だけでなく下書きの完成度の高さも大切。
鏨で彫る作業の前に、ペンで美しく書けなければ始まらないため、ペンでカリグラフィーを書く修練も日々欠かせません。
また彫るための道具・鏨の刃先も、常に研究が必要とされます。
角度調節器で1度ずつ角度を確認しながらアングルを変えて調節し、そこから更に、アールをつけるなどの形の調整をしていきます。
こうした微調整によって、鏨の切れ味は1本1本全く異なるものになっていきます。
異なる線を彫るためには異なる鏨が必要で、そのため、カリグラフィー作家のアトリエには数え切れないほどの種類の鏨があるのです。
そしてカリグラフィーを彫る上で重要なことは、技術だけでなく、感性を磨くこと。
常に美しいものへの感度を高め、追求し続けなければ、美しい線を描き、彫ることはできない。
ジュエリーに刻まれる1本1本の線は、そうした妥協を許さない厳しく凛とした姿勢から生まれるのです。
そうして研ぎ澄ませた感性を技術に込め、ジュエリーに文字が彫り入れられています。
美しく整いつつ、かけられた想いを伝えるかのような心地よさを宿したカリグラフィー文字の彫刻。
日々培われた感性と、その中で磨き上げた技術を集約した煌めきが、ジュエリーをよりいっそう特別なものに仕立ててくれます。
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